ニュースは毎日見た方がいい、という意見がある。一方で、AIに任せた方がいい、という意見もある。
正直、自分はもう「ニュースを自分でかき集める」ことはやめた。今は、世界と日本のニュースをAIにまとめてもらい、そこに地政学的な背景、今後の予測、過去の経緯まで含めた総合レポートを作ってもらっている。そこから、内容を理解した上で、忘却曲線に沿って復習する、という流れにしている。
ちなみに、「ニュースをやめろ」と言い切った本がある。スイス人の作家ロルフ・ドベリが書いた『News Diet』だ。「ニュースは思考を妨げ、短期的な刺激に脳を慣らしてしまう」という話が出てくる。読んだとき、自分がやろうとしていたことと同じだな、と思った。
レベルが高い分、一度では覚えられない
このレポート、正直レベルが高い。一度読んだだけで全部頭に入るかと言うと、入らない。
だから、毎日5問程度の簡単な復習をしている。これが本当に身についているかと聞かれると、正直まだ分からない。「続けてみないと分からない」というのが今の本音だ。気が乗らない日もある。それでも、続けている。
エビングハウスという19世紀の心理学者が発見した「忘却曲線」がある。人は学んだことを、1日後には約70%忘れる、という話だ。でも裏を返せば、適切なタイミングで復習すると記憶は指数関数的に定着しやすくなる——これを「間隔反復」という。毎日5問の復習は、面倒くさいけど、脳の仕組みに沿った合理的な行動なんだと思う。
意志力に頼ると、続かない
ここで気づいたのは、意志力だけで続けようとすると、いつか必ず止まるということだ。
最初は「やる気」で始めるしかない。でも、本当に習慣として根付かせるには、意志力を使わなくてもできるレベルまで、仕組みを落とし込む必要がある。毎日同じ時間に、同じ手順で、淡々とこなせる形にする。それができて、初めて「習慣」と呼べるんだと思う。
ジェームズ・クリアーの『Atomic Habits』という本がある。「習慣は意志の力で作るのではなく、環境の設計で作る」という考え方が出てくる。やる気に頼るのではなく、やらざるを得ない状況をつくる。読んだとき、これだな、と思った。
地政学リスクの例で考える、ニュースと株価の関係

具体的な例で考えてみたい。
仮に、中東や東アジアで「紛争が起きそうだ」というニュースが出たとする。この段階で防衛関連株が上がることがある。理由は単純で、防衛費が増えるという「期待」が先に買われるからだ。
ただ、ここで重要なのは、これは多くの場合、短期的な上昇で終わるということだ。停戦合意や緊張緩和のニュースが出た瞬間、その「期待」は剥がれて、株価は下落する。
相場の世界に「噂で買って、事実で売る(Buy the rumor, sell the news)」という格言がある。ニュースが正式に発表される頃には、もう値動きは終わっていることが多い。ニュースを後追いするほど、すでに「乗り遅れた後」にいる、ということだ。
つまり、ニュースに「後から反応する」のではなく、ニュースが出た瞬間に「次にどう動くか」を予測する、という姿勢に変える。
急騰の後の下落は、チャンスになる
このパターンを知っていれば、急騰の後にやってくる下落は、ただの下落ではなく、「押し目買い」のチャンスとして見ることができる。
長期的にその銘柄や、そのセクターを持ちたいと思っているなら、思惑で上がった後の下落は、むしろ買い場になる。
これは、ニュースを追いかけて慌てて売買する姿勢とは、正反対の考え方だ。ニュースは、慌てるための材料じゃなくて、予想するための材料にする。
ウォーレン・バフェットが言っている。「他人が貪欲なときに恐れ、他人が恐れているときに貪欲になれ」と。慌てて動く人たちが作った値動きの後ろに、実はチャンスが隠れている、ということだ。
これがまだ自分の血肉になっているかは分からない。でも、続けてみないと分からないことだから、今日も淡々と続けていく。


コメント