なんとなく買った株を全部見直した話

投資

なんとなく買った株を全部見直した話

スマートフォンの証券アプリを開く。表示されているのは、プラスしかない。

それが今の状態だ。

一年前は、そうじゃなかった。マイナスとプラスが混在していて、開くたびに少しだけ気が重かった。「なぜこれを持っているんだっけ」という株が、いくつかあった。

今日は、その整理をした話をする。

なんとなく買っていた、その「なんとなく」の中身

正直に言う。去年まで、株を買う根拠はほとんどなかった。

理由を並べるとこんな感じだ。株主優待が目当てで、近所で使えるお店の株。知っている企業。チャートが右肩上がりのもの。配当がある、堅実そうなもの。地上波のニュースで良い話が流れた企業。本で紹介されていた企業。

パートナー企業や技術力、事業内容は、全く見ていなかった。業績が好調かどうかくらいは確認していた。でも、それくらいだ。

ピーター・リンチという伝説のファンドマネージャーが書いた『One Up on Wall Street』という本がある。「自分がよく知っている企業に投資せよ」という考え方が有名だ。当時、自分も同じことをしていると思っていた。でも、リンチが言う「よく知っている」は、「名前を知っている」じゃない。日常の中で気づいた競合優位性を、数字で裏付けてから投資する、ということだ。自分がやっていたのは、名前を知っているだけだった。

これはギャンブルと同じだ、と気づいた

しばらくして、自分でも気づいた。

株を買う根拠が、自分の中にない。なんとなく知っているから、なんとなく聞いたから、なんとなく右肩上がりだから。全部「なんとなく」に集約される。判断基準がない状態で売買するのは、投資ではなくギャンブルだ。

投資とギャンブルを分けるのは、期待値の構造だと思う。ギャンブルは長く続けるほど胴元に取り分が流れていくので、期待値はマイナスに傾く。株式投資は、企業の成長に乗る仕組みなので、長期的な期待値はプラスになりやすい。ただ、根拠なしに売買している状態では、その構造から自分が外れてしまう。「たぶんこれが上がる」という感覚は、期待値の計算ではない。

だから、勉強を始めた。ただ、本当に遅いペースで。一年で10個の単語を覚えるくらいの速度。それでも続けていた。30代からでも遅くないという話は、別の記事で書いた

旧NISAの期限が、きっかけになった

全部を見直すきっかけは、旧NISAの非課税期間だった。

以前の一般NISAは、非課税期間が5年間と定められていた。2024年から始まった新NISAは非課税期間が無期限になっているが、旧NISAで買った株は期限後に課税口座へ移管されるか、売却するかの判断が必要になる。その期限が近づいてきたとき、「そもそもこれ、なんで持ってるんだっけ」という株が、いくつも目に入った。

方針はシンプルにした。プラスになっているものは利益確定して売る。マイナスのものはすぐ売るより、長期保有で株主優待を使いながら待つ。そして、これからは根拠を持って買う。

手放すことへの抵抗は、正直あまりなかった。むしろスッキリした。マイナスの株が残っていることよりも、「なぜ持っているか分からない株が減る」という感覚の方が、気持ちよかった。

ポートフォリオを開くと、プラスしかない

今は、証券アプリを開くのが以前より少し楽しい。

表示されているのはプラスだけだ。「利益が出ている」という話だけでなく、「根拠のある株だけが残っている」という感覚に近い。まだ完全ではない。勉強も途中だし、全部が分かっているわけじゃない。

ただ、方向性は決まった。根拠を持って買う。根拠がなければ切る。マイナスを抱え続けるより、ゼロにした方がポートフォリオは次の動きをしやすい。

「なんとなく」で始めた投資を、「なんとなく」のままにしないために。まだ答え合わせはできていないけれど、少しずつ前に進んでいる感覚がある。


今週、自分のポートフォリオを開いて「これ、なぜ持ってるんだっけ?」と思う株が1つでもあれば、そこが見直しのスタートラインだ。

ニュースを見て株を買ってしまう心理と、どう向き合うかについては、ニュースの「仕組み化」について書いた記事に詳しく書いた。

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