暴落が来たとき、何もしないという技術

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暴落が来たとき、何もしないという技術

暴落が来た。そう感じた瞬間、何かしたくなる。

アプリを開いて、チャートを確認して、「これは損切りすべきか」「もう少し待つべきか」と考え始める。あの焦りは、投資を始めた人なら誰でも一度は経験するんじゃないかと思う。

自分の結論を先に言う。暴落のとき、基本的には何もしない。 ただし「何もしない」の意味は、ただ放置するということじゃない。持ち続けること、あるいは最初に決めたルール通りに動くこと。それが「何もしない技術」だと思っている。

投資信託は、売ったらゼロからやり直しになる

積立投資信託を続けていると、当然のように暴落の局面がある。そのたびに売却してしまうと、これまで積み上げてきた複利の効果がリセットされる。

投資信託の積立で一番大事なのは、「複利の効果が生まれるまで時間を与える」こと。時間がかかるからこそ価値がある仕組みで、崩せばまたゼロからのスタートになる。

「暴落前に売って、底で買い直せばいいじゃないか」という考えもあると思う。それはもちろんその通りかもしれない。でも、暴落から反転するタイミングを正確に読むのはプロでも難しくて、機会を逃してから値段が上がってきたとき、「高くなってから買えない」という心理が出てくる。

ちなみに、下がり続けているときにも一定額を買い続けることで、高いときには少なく、安いときには多く口数が買える。これをドルコスト平均法と呼ぶ。要するに「ずっと積み立て続けること」自体が、暴落を味方にする仕組みになっている。

自分については、あと二十年ほど続けられる期間があるので、このまま積み立てていくほかないというのが今の考えだ。

個別株では、失敗した

個別株のほうは、少し話が違う。

利益が出ていたものは売った。マイナスになったものは、塩漬けにしてしまった。当時はパニックになって損切りができず、そのまま五年ほど持ち続けた。プラスマイナスほぼゼロになったところで「やっと取り返せた」と安心して売った。

良かったのかどうか、今でも少し分からない。でも機会損失という観点では、あの五年間、資金を止め続けたのはもったいなかったと思う。次回同じ局面があれば、最初に決めていた損切りラインで踏み切りたい。それが今の考えだ。

「投資信託は持ち続ける」と「個別株は損切りルールに従う」は、矛盾するように見えるかもしれない。でもこれは両立できる。どちらも「最初に決めた設計図通りに動く」という、同じ原則の上にある。

株の整理や銘柄の見直しについては、なんとなく買った株を全部見直した話にも書いた。設計図を作り直すきっかけになるかもしれない。

チャートを見る環境を、物理的に断つ

暴落中は精神的にきつい。平常心を保つのが難しくなる。

であれば、チャートを見る機会を物理的に減らすのが一番効く。スマートフォンの投資アプリを削除する。ブックマークも消す。ニュースは見ていい。でも保有している株のチャートを逐一確認する必要はない。チャートを気にしても、そこから有益なことは何も起きない。

代わりに、意識を仕事・家族・自学に向ける。どうしても気になるなら、保有株の半分だけ売って残りは持ち続けるという折衷案もある。ただまずは「見ない」環境を作ることが先だと思う。

恐怖は、脇に置く。設計図は、最初に決める

「気にしないようにしよう」と思っている時点で、すでに気にしている。それは心が保てていないということだ。

恐怖と向き合おうとしなくていい。逃げるのでもなく、ただ脇に置いておく。そのためには、最初に投資ルールをきちんと決めておくことが肝心だと思う。

いつ何が来ても、その設計図に従って動く。それが「暴落のとき、何もしない技術」の本質だと、自分は考えている。これが今のところの納得解だ。


よくある質問

Q. 暴落時に投資信託を売ってはいけない理由は? 積み上げてきた複利がリセットされるためです。また、暴落からの反転タイミングを正確に読むのはプロでも難しく、機会損失が生まれやすくなります。

Q. 暴落中の「何もしない」を実行するコツは? 投資アプリをスマートフォンから削除して、物理的にチャートを見られない環境を作ることです。ニュースは見ても、保有株のチャート確認はしない、という使い分けが有効です。

Q. 個別株も「何もしない」が正解ですか? 個別株は最初に決めた損切りラインに従うのが正解です。「投資信託は持ち続ける」「個別株は設計図通りに動く」という二つの原則は両立します。


今日から試せること:スマートフォンの投資アプリを一つ削除してみる。見なければ動かない環境を作るだけで、次の暴落時の自分が少し楽になるかもしれない。

積立の設計図を整理したい方は、NISAとiDeCoをどちらから始めるかも合わせてどうぞ。長期で続けるための順番の考え方を書いた。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。投資にあたっては自己責任でご判断ください。

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