子供に「なぜ?」を説明させる対話のやり方
うちでは、子供に何かを教えるとき、答えを与えるんじゃなくて、子供自身に「なぜそう思う?」と説明させるようにしている。
理由を話してもらうと、子供が自分の頭で考えているのか、ただ覚えているだけなのかが見えてくる。そっちの方が、親として面白いし、子供にとっても大事な練習になると思っている。
「得意なこと」に限定する理由
大事なのは、「得意なこと」か「興味があること」に限定することだ。
これをどんな場面でもやろうとすると、子供が嫌がる。説明してって言った瞬間に「またか」という顔をする。しっかり言葉が出てくるようになってきたくらいから少しずつ試してきたけど、最初からうまくいったわけじゃない。
興味があることを聞くと、子供は自然と話す。得意なことを聞くと、自分から説明しようとする。そのエネルギーを使うのが、この対話の基本だ。相手の興味関心があることに関しては、断然有効だと思っている。
やってはいけない:尋問・脅迫にしてしまうこと
これを間違えると、尋問になる。もっとひどくなると、脅迫になる。
「なんでそんなことしたの」「どういうつもりだったの」——こういう問いかけは、子供に考えさせようとしているんじゃなくて、親が聞き出したいだけだ。子供は答えないといけない空気を感じて、言わされるだけになる。
「説明させること」と「答えを白状させること」は、似ているようで全然違う。前者は子供の思考を引き出す。後者は親の意図を子供に認めさせるだけだ。
ちなみに、コミュニケーション研究では「オープンクエスチョン(なぜ・どう思うの問いかけ)」と「クローズドクエスチョン(はい・いいえで答える問いかけ)」の使い分けが重要とされている。感情的な場面でオープンクエスチョンを使うと、子供の防衛反応が出やすくなる。場面を選ぶ理由がここにある。
親が我慢しなきゃいけないこと

この対話をやろうとすると、親に我慢が必要になる。
まず、答えを言わない。子供が詰まっても、すぐに正解を教えない。一分か二分、待つ。その沈黙が難しい。
次に、いらだちを質問に混ぜない。「なんでできないの?」は質問じゃない。感情のはけ口だ。子供に問いを立てるなら、自分の感情は先に下ろしておかないといけない。
そして、子供が嫌がっていないかを確認する。自発的に答えているのか、言わされている感覚になっているのか、顔を見ていれば分かる。嫌がっているなら、その日は聞かない。無理にやらせる意味はない。
なぜこれをやるか
子供が自分の頭で考えて、言葉にして、フィードバックを得る。そのサイクルを、大人になる前に少し訓練しておきたいと思っている。
答えをもらうことに慣れると、「分からなければ誰かに聞く」が先になる。自分で考えることが後回しになっていく。自律心というのは、誰かに与えてもらうものじゃなくて、試行錯誤の中で少しずつ育つものじゃないかと思う。
価値はあると信じて続けている。
よくある質問
Q. 子供に「なぜ?」を聞き始める目安は? 言葉がある程度出てきて、自分の気持ちを少し話せるようになってきたくらいが目安だと思います。強制的に始める必要はなく、子供が自然と自分のことを話したがる場面を見つけて、そこから試すのがいいと思います。
Q. 子供が答えてくれない場合はどうすれば? その日はやめるのが一番です。嫌がっているなら無理に続けない。興味関心のある別の話題に変えるか、次の機会を待つのが正解だと思います。
Q. 「なぜ?」を聞くときに気をつけることは? 親の感情(いらだち・焦り)を質問に混ぜないことです。「なんでできないの?」は問いかけではなく感情の表出です。質問するときは、自分の感情を一度置いてから話しかけることが大事だと思います。
今日から試せること:子供が何かを話しているとき、一つだけ「なんで?」と聞いてみる。答えを誘導しないで、ただ待つ。それだけでいい。
うちの子育ての方針として、「習い事は基本的にやらなくていい」というのも同じ考えから来ている。子供の習い事に対する考え方に書いたので、合わせて読んでみてほしい。


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